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MOS BURGER

1985-2000

僕にとって、かけがいのない仕事になりました。37歳の頃、突然モスの櫻田社長が事務所に来られました。PRGRの表現が好きだったようです。(彼は、誰よりもゴルフが好きでした)フランチャイズシステムが好きでなかった僕はあまり乗り気ではなく、半年以上お互いに話し合いをしてから、深いお付き合いが始まりました。

マクドナルドと同じ年にスタートしたモスバーガーでしたが、圧倒的な開きがついていました。僕も、ほとんどモスを知りませんでした。そのはずです。広告はしたことがなく、駅前にお店はありませんでした。というより、ジャンクな食品を食べたくなかったからだと思います。

3等地戦略と櫻田社長はおっしゃっていました。「本当にいいものであれば口コミでお客様はどこへでも来てくださる」「広告はお金がかかる」「3等地は開店資金が少なくてすむ」「静かでゆったり食べられる」・・・これらの考え方は、商品づくりにも、店舗づくりにも、サービスや、店員の教育においても、すべて同じです。

僕がこの話を理解できるようになったのは、仕事を始めて3年ほど経ってからです。CMや立地でお金を使うよりも、“いい材料で美味しい商品”にお金を使った方がいい!!商品原価が50%を越えてしまうこともありました。わざわざオーストラリアまで有機の牛を買い付けに行ったこともありました。モスのビジネスを知れば知るほど、社会で何が正しくて何がいけないのか?が理解できるようになって行きました。

僕の人生は桜田さんに出会うことで、今があるように思います。仕事をすることの素晴らしさを僕は手に入れました。最悪な事件は、仕事を始めて15年、櫻田さんは突然亡くなられたことです。僕はこの仕事を降りることになります。
櫻田さんとは違うモスが始まったからです。

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